長野県の地方区分をわかりやすく！観光と生活の境界を理解

長野県は本州のほぼ中央に位置し、一般的には中部地方に属します。県内は多くの山岳に囲まれており、北信・中信・南信という3つの地域区分がよく使われます。観光客向けのエリア区分や文化・経済の結びつきによる区分など、その呼び方は多様です。
本記事では長野県の広域・県内区分を最新情報とともに紐解き、観光と生活という2つの視点から各地域の特徴をわかりやすく紹介します。

長野県はどの地方区分に属する？

長野県は日本の主要8地方区分において「中部地方」に含まれます。中部地方は新潟県や山梨県、岐阜県など9県で構成され、その中央部に当たる長野県は日本アルプスに代表される山岳地帯が広がっています。県庁所在地の長野市や松本市は中央高地の盆地に位置し、長野県は中部地方の内陸中央に位置する重要なエリアです。

中部地方に属する長野県

長野県は中部地方でも特に中央高地に位置する県です。中部地方は新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県の9県で構成され、その中で長野県は信濃国を母体とする歴史を持ちます。中央高地には日本アルプスが連なり、川や盆地が縦横に走る地形が日常生活を特徴付けます。長野市や松本市を中心に、長野県は中部地方の内陸部の中心地とされています。

甲信越・信越地方との関係

長野県は山梨県と合わせて「甲信地方」（甲斐＋信濃）とも呼ばれ、これに新潟県を加えた「甲信越地方」としても扱われます。甲信越地方には山梨県・長野県・新潟県の3県が含まれ、スポーツ大会や統計などで使われる区分です。また「信越地方」（信濃＋越後）は長野県と新潟県を含み、特に新潟県上越地方と長野県北部（北信地方）は地理的・文化的なつながりが深いとされています。

さらに広い区分として「北信越地方」には富山県・石川県・福井県（北陸3県）と長野県・新潟県（信越2県）の合計5県が入ります。北陸新幹線の開業によりこの区分名は「東西を結ぶ広域交通圏」としても一般に知られるようになりました。

気象庁・行政の地方区分

一方で、気象庁や政府機関では長野県を関東地方と扱う場合があります。気象庁の天気予報では「関東甲信地方」を用い、東京都など首都圏と一体の区分に含めます。またNHKの放送エリアや一部官庁では新潟県を加えた「関東甲信越地方」という呼び方が用いられ、関東1都6県に山梨・長野・新潟を合わせた9県が対象です。総務省が定義する「広域関東圏」には静岡県・新潟県・山梨県・長野県を加えた10県が含まれ、首都圏として扱われることもあります。これらは主に行政便宜上の区分であり、県民の日常感覚での区分とは異なる点に注意が必要です。

長野県の地方区分と観光

長野県は自然豊かな観光資源が豊富で、多くの旅行者が訪れます。北信・中信・南信の各地域にはそれぞれ異なる観光スポットが点在し、訪問地によって地域色が感じられます。観光ルートもこの区分を意識したものになっており、地域ごとに特色あるプランが組まれています。以下では観光面の視点から北信・中信・南信それぞれの代表的な観光地をご紹介します。

北信地方の観光名所

北信地方は長野市を中心とするエリアで、冬季の山岳観光が盛んです。1998年の長野オリンピックで注目された白馬村（北安曇郡）には国内有数のスキーリゾートがあり、冬場には多くの観光客が訪れます。善光寺（長野市）も古くからの名刹で、年間を通して参拝者が絶えません。このほか、戸隠神社や戸隠高原は夏の避暑地として人気が高く、四季折々の自然を楽しめます。

• 善光寺（長野市） – 国宝にも指定される寺院。初詣や御開帳でにぎわう歴史的名所です。
• 白馬村（北安曇郡） – 北アルプス山麓に広がるスキー＆アウトドアリゾート。
• 戸隠高原・戸隠神社（長野市） – 豊かな自然とパワースポットで知られる避暑地。
• 野沢温泉村（飯山市） – 歴史ある温泉街とスキー場を併せ持つ山間リゾート。

中信地方の観光名所

中信地方は松本市を中心に、城下町と山岳観光が両立するエリアです。松本城は国宝にも指定された黒漆塗りの天守閣が美しく、桜の季節をはじめ多くの観光客が訪れます。上高地（松本市）は北アルプス国立公園内の景勝地で、清流や山岳を眺めながらのハイキングが楽しめます。安曇野市には広大なわさび田が広がり、湧水と田園風景が心を癒します。

• 松本城（松本市） – 黒塗りの天守閣が印象的な名城。国宝として人気。
• 上高地（松本市） – 北アルプスの大自然を満喫できる高地リゾート。
• 大王わさび農場（安曇野市） – 湧水が豊富なわさび田が広がる観光農園。
• 美ヶ原高原（松本市） – 360度の大パノラマが広がる高原地帯。高山植物の宝庫です。

南信地方の観光名所

南信地方は諏訪湖や中央アルプスに囲まれたエリアです。諏訪湖（諏訪市）周辺は温泉街や湖畔の観光施設が整備され、夏の花火大会でも有名です。駒ヶ根市の千畳敷カールは、駒ヶ岳ロープウェイで手軽に訪れることができる高山植物群生地です。飯田・伊那地域には果樹園が広がり、春には花、夏・秋には桃やリンゴ狩りを楽しむ観光客が多く訪れます。

• 諏訪湖・諏訪大社（諏訪市） – 湖と温泉、古社が調和する観光リゾート。四社巡りが名物。
• 蓼科高原（茅野市） – 北八ヶ岳の麓にある高原リゾート。四季の花と景観が楽しめます。
• 駒ヶ岳ロープウェイ・千畳敷カール（駒ヶ根市） – 南アルプスの展望台として人気。夏の高山植物が見どころ。
• 伊那高原・高遠城址（伊那市） – 春は「高遠の桜」が見事な城址公園。桃やブドウの産地としても有名。

長野県の地方区分と生活

長野県の各地域は生活面でも大きな特徴があります。北信地方は年間降雪量が多い豪雪地帯で、冬季は雪かきが日常ですが、スキー場や温泉施設など雪を活かした産業が発展しています。野沢菜漬けやりんごなど冬に強い作物が栽培されるほか、日本酒の醸造所も点在します。中信地方は松本市を中心とした県内第2の人口集中地で、大学や工業団地が集まっています。周辺の盆地部では米や高原野菜を栽培し、居住環境は比較的過ごしやすいです。

南信地方は南に位置して標高が低いため温暖で、ぶどう・桃・リンゴといった果樹栽培が盛んです。諏訪盆地には湖畔の温泉街が広がり、夏は花火や御柱祭などの伝統行事が住民に親しまれています。南信地域では山岳部を結ぶ高速道路や鉄道が少なく、自動車中心の生活圏が形成されています。各地域には伝統的な祭りや郷土料理があり、自然条件や歴史によって生活スタイルが大きく異なることがわかります。

まとめ

長野県の地方区分について、広域区分と県内区分の両面から解説しました。公式には中部地方に属する長野県ですが、甲信越地方や関東甲信越地方といった呼称でも言及されます。県内では北信・中信・南信の3地域に分けて捉えるのが一般的で、北信は豪雪地帯、南信は果樹園、日本アルプスに囲まれた地域というように各地域の特色が際立ちます。

観光面では北信のスキーリゾートや善光寺、中信の城下町・高原リゾート、南信の温泉・果樹園といった地域ごとの見どころが分かりやすいでしょう。一方、生活面では降雪量や気温差・産業の違いが日常生活を規定します。長野県の地方区分を理解することは、旅行計画や移住先の検討、ビジネスの地域戦略などに役立ちます。それぞれの地域の魅力と特徴を踏まえて、長野県の豊かな自然と文化を存分に楽しんでください。