長野県の「ごあす」という方言って何?古風な響きの意味と使い所を解説逸話も!

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方言

長野県の方言として紹介されることもある「ごあす」。古風な響きを持つこの言葉、一体どんな意味なのでしょうか?実は「ごあす」は鹿児島県の方言で、「ございます」にあたる丁寧語です。長野に住む人でも聞き慣れない言葉かもしれません。長野県民にとってはまるで異国語のようで、長野の方言辞典にも載っていません。現在では鹿児島県内でも使う人がほとんどいなくなり、方言としてはとても珍しく面白い表現といえます。本記事では「ごあす」の由来や使われ方を解説し、面白い逸話も交えてわかりやすく紹介します。

長野県の「ごあす」という方言とは何?

実は長野県で「ごあす」を使う習慣はほぼありません。長野県民は普段、丁寧な言葉に標準語の「ございます」を用いるため、「ごあす」という表現はほとんど耳にしないでしょう。そのためWeb検索などで「長野県 ごあす 方言」と探しても、長野県内での使用例は見つからず、他県からの情報やネット上の話題で見かける程度です。
だいたいの場合、「ごあす」は鹿児島弁の一種であることを前提に話が進みます。つまり、「ごあす」は長野県の本来の方言ではなく、むしろ鹿児島県から伝わる言葉として理解するのが正しいのです。

鹿児島県の方言としての「ごあす」

「ごあす」は鹿児島県の南部地方を中心に使われる言葉で、標準語の「ございます」に相当します。具体的には丁寧語の「~ござる」や「~でござる」が転じて、「~ございます」に形を変えたものです。鹿児島弁では「おはようございます」を「おはようごあす」と言ったり、「こんにちはございます」を「こんちゃらごあす」と言ったりする例もあります。「こんちゃらごあす」という挨拶は「こんにちは」と「ございます」を組み合わせたもので、かつて車掌や店員など公式な場面で使われていたと伝えられています。
歴史的には、江戸時代の薩摩藩(現在の鹿児島)で武士や役人が用いていたともいわれます。薩摩藩には身分制度に応じた丁寧語表現が厳格だった時代があり、高い敬意を示すために「ござす」「ごあす」といった表現が発達しました。現在では若い世代になじみが薄れており、鹿児島でも年配者や方言愛好家が使う程度で、日常生活ではほとんど聞かれません。

長野県との関係

長野県では「ごあす」を使う風習がないため、県内でこの言葉が受け入れられている事実もありません。旅行者向けの方言紹介やネット記事の中には「長野の方言」的に取り上げているものがあるかもしれませんが、地元の会話では全く登場しない表現です。長野県の方言集や地域振興のコラムを見る限り、「ごあす」に相当する語は掲載されていないことが多いでしょう。

「ごあす」の意味と由来

意味としては前述のとおり、標準語の「ございます」と同等です。「ござる」の丁寧語形が変化して生まれた表現で、発音的には「ござあす」に近い形に聞こえます。「ごあす」は動詞「ござる」の連用形「ござり」からさらに転じた語とされ、長音にならずはっきりと「す」で終わります。
語源をたどると、古くは「御座候(ござそうろう)」や「御座います(ございます)」などの敬語がさらに短縮され、鹿児島独特の音韻変化を経て「ごわす」「ごあす」になったと考えられています。江戸時代を代表する言葉遣いをまとめる書物や、鹿児島の文献にも類例が見られます。要するに、江戸時代から続く薩摩(鹿児島)の尊敬語が由来です。

標準語との対応

「ありがとうございました」→「ありがとうございましたごあす」ではなく、鹿児島弁としては「ありがとうございましたごあす」という言い方はしませんが、「ありがとうございます」の部分で「ございます」を「ごあす」に置き換えて敬語感を出すイメージです。例えば店員が客に感謝する場面で「どうも(ありがとう)ございました」を「どーもありがとうございました、ごあす」という具合に言う例がありました(現在ではほとんど耳にしません)。つまり、標準語の「ございます」に当たる部分が「ごあす」に置き換わると考えるとわかりやすいでしょう。
「ございます」は非常に丁寧な言い方ですが、「ごあす」も同様に相手への尊敬を表す表現です。ただ、今では「ございます」をそのまま使う方が一般的で、「ごあす」は古風なニュアンスが強く、「~ございます」を使うよりも改まった印象を与えます。

語源と歴史

語源については諸説ありますが、一つには「御座有ります(ござあります)」が縮まったものとされています。これが転じて「ござす」「ごあす」となり、そこから文末に付ける形で「おはようございます→おはようござす→おはようごあす」などとなったわけです。鹿児島の方言変化として有名な「ごわす(ございます)」とも似た系統と考えられます。
歴史的には、薩摩藩で公式の場面や格式を重んじる場面で好まれました。たとえば江戸時代の文献では講演や交渉で用いられた記録が残っていますし、現在も鹿児島県立博物館などに当時の書状での言い回しとして見られる例があります。時代劇や昔話では当時の鹿児島語としてしばしば登場し、歴史好きには「当時の薩摩の武士言葉」として知られています。

「ごあす」の使い方・例

実際の使い方としては、非常に丁寧な挨拶表現の一部です。現代では鹿児島県内でもほとんど使われませんが、かつては「おはようございます」「こんにちはございます」「お世話になります」などの「ございます」部分を「ごあす」に置き換えた挨拶や言い回しが使われていました。たとえば、公の場であいさつをする際に「おはようございます」を「おはょうごあす」と言うような感じです。
若者や標準語使用者は使わないので、会話例を挙げるとすればかなり古風になります。たとえば敬語を重んじる年配者や役所・葬儀場など正装する場面で「おはすみごあす(おはようございます)」「おかようございますごあす(おはようございます)」「いただきましょうごあす(いただきます)」などといった変化形があったそうです。ただし現代では多少崩した言い方(「ござす」など)に替わってきたため、「ごあす」を聞くと時代を感じるような場面ということになります。

丁寧な場面での使い方

「ごあす」は目上の相手や丁寧なあいさつに使われました。例えば、宴会に主催者としてあいさつする際やお礼を述べる際、「本日はありがとうございました」は「ほんないび(本日は)、お世話になりごあす」といった具合に用いられました。年寄り言葉のニュアンスがあり、素人が日常会話で使うことはまずありません。めったに使われないからこそ、逆に格式高い印象を与えます。
逆にカジュアルな場面や親しい人同士では使いません。むしろ目上の人が敬意を示すときに限定される表現です。若い世代は普通に「ございます」を使いますし、むしろ「こんな言い方を昔の人がしていたんだ」と外国語を見るように珍しがるでしょう。

現代での使用例

鹿児島県出身の高齢者や老舗の店などでたまに耳にすることがありますが、ごくレアです。旅行者として鹿児島で宿泊先のお知らせなどを聞いたとき、「くコ:彡ございます」の部分が何となく「くコ:彡ごあす」と聞こえ、方言だと気づく程度です。長野県であれば、まず出くわすことはないでしょう。
近年のメディアでも「ごあす」はほとんど使われません。テレビで鹿児島を舞台にした時代劇やバラエティ番組でギャグとして登場することがあります。例えば、鹿児島弁を得意とするタレントや郷土番組で「こう言ったら面白い」という感じで紹介されるケースがあります。これらは方言らしい響きを楽しむための演出で、実際の日常会話で会う場面は稀です。

長野県で「ごあす」は使われている?

長野県の方言として「ごあす」を使う人はほとんどいません。前述の通り、長野県民は主に標準語の丁寧語を使うため、地域の会話では見かけない表現です。念のため調べたところ、長野の方言一覧にも「ごあす」は記載されておらず、旅行ガイドなどに掲載される不思議な例という扱いです。
もし長野県で「ごあす」を耳にしたら、それは他県(特に鹿児島)の人が話している可能性が高いでしょう。鹿児島出身者が長野に来ていたり、鹿児島の文化を紹介するイベントで使われることがあれば、長野県で聞こえてくるかもしれません。ただそれ以外の場面ではまずありません。現代の長野では知らない人がほとんどですし、方言理解の面からも教科書的解説以上に一般には馴染みがない言葉です。

長野県の方言事情

信州(長野県)の方言は地域によって特色がありますが、丁寧語に関して独特の形が少ないのが特徴です。例えば、「~ます」が「~まんが」「~まんす」となる習慣はありません。長野県ではお礼やお詫びでも「ありがとうございます」「すみません」を普通に使います。代わりに、味噌汁を飲んだ後の「いただきます」を「いただきました」と言ったり、若い人同士が使う語尾の特徴(「~しゃん」「~じゃん」など)がある程度です。「ごあす」のような高度な敬語表現は信州弁には含まれないため、長野であえて「ござす」を使うような自治体特有の言い回しも見当たりません。

長野で聞く機会

長野県在住者にとって「ごあす」はほとんど未知の言葉です。観光客や郷土文化を学ぶ人であれば、「かごしま弁」などで知っている場合もありますが、県内で日常的に交わされる会話では決して出てきません。強いて言えば、鹿児島から来た方が身内同士で古風な表現を冗談めかして使う程度です。つまり、普通に生活している長野県民が「ごあす」を使うケースはゼロに近いといえます。

「ごあす」にまつわる逸話

「ごあす」にまつわる面白い話としては、鹿児島弁の奥深さが挙げられます。上述の「こんちゃらごあす」以外にも鹿児島には昔から複雑な敬語体系がありました。例えば、鹿児島を舞台にした時代劇の中では、武士が「~ござす」や「~おがす」を使って丁寧に話すシーンがあります。薩摩義士や島津藩士が上品にふるまう際に使ったのが「ごあす」であり、現在の鹿児島でも歌舞伎や伝統芸能など古典文化の場面で耳にすることがあります。
また現代では「かごっま弁愛好家」としてSNSやイベントで鹿児島言葉を守る人たちがいます。そういった人たちは「ごあす」を含む昔の言い回しを紹介することで話題にしています。実際、鹿児島のあるお年寄りが「昔はなんでも丁寧に言うときは“ござす”をつけよった」と語っており、テレビ番組の中で“ごあす”を再現しました。こうした逸話は長野ではまず見かけないため、鹿児島弁研究や文化交流の際に披露されることが多いようです。

歴史的背景

「ごあす」が使われていた時代には、日本全体で方言や敬語が厳しく使い分けられていました。特に薩摩藩は外部から隔絶された文化を持ち、独特の話し方を守っていました。明治時代以降は標準語化が進み鹿児島でも使用が激減しましたが、一部の儀礼的場面ではしばらく残っていました。例えば昔の葬式では、僧侶や参列者が「~ございやす」と話したという記録があります。ただし、これはあくまで鹿児島県内の出来事であり、長野には全く影響しません。

現代のエピソード

最近の話題では、鹿児島の郷土料理店や温泉施設でスタッフがお客様に対し冗談交じりに「ありがとうございます」を「ありがとうございましたごあす」と言って笑いを取った、というエピソードがあります。もちろんこれは公式の挨拶ではなく、観光地ならではのイベントやユニークなサービスの一環でした。また、一部の若者の間で鹿児島弁がブームになった際、鹿児島弁の講座で「ごあす」を学ぶ人が出たという地域ニュースもありました。これらからも、「ごあす」はもはや現役の言葉ではなく、文化的エピソードとして語られることが多いようです。

他の方言との比較

鹿児島以外の方言では、「ごあす」のような丁寧表現は知られていません。他の九州弁であっても「ございます」に相当する特別な語はないのが普通です。同じく古風な方言としては、「~ござす」の形で知られる熊本弁や宮崎弁もありますが、鹿児島の「ごあす」とは形が異なります。
一方、長野県(信州)の方言には、敬意を示す古風な形はほぼ存在しません。長野では丁寧語は標準語とほぼ同じで、「~なさい」など語尾の変化もわかりやすいものが中心です。たとえば熊本や大分には「〜しおる」(〜している)や「〜してござる」(〜している)など格調高い表現がありますが、信州には「〜とる」「〜してる」と標準語に近い言い方が多いのが特徴です。要するに、「ごあす」は鹿児島以外では完全に特有の言い回しで、他地域と混同しない固有文化といえます。

鹿児島弁の他の丁寧表現

鹿児島弁には「ごあす」の他にも昔ながらの敬語表現があります。たとえば「~ごわす」も「ございます」の意味で使われ、「~ございます」を「~ごわす」に置き換えます。また相手を呼ぶときに「せごどん」(殿)や「おんぼさん」(おばさん)といった語もあります。敬語系では「おやっとさあ」(お疲れ様でした)や「おいどん」(私)もゾーニングによる尊敬語・卑下語として使われてきました。これらは今でも方言として認知されていますが、いずれも「ごあす」に比べれば一般の会話で使われる頻度が高いものです。

信州弁(長野の方言)との違い

信州の方言である「信州弁」には、高度な敬語変化形はありません。語尾変化や抑揚で親しみや意味を表現することが多く、丁寧語は標準語に近い形です。例えば長野では飲食後の「いただきます」を「いただきました(ごちそうさま)」という習慣が「方言」扱いになる程度です。「ごあす」のように語尾で敬語度合いを示す文化的バリエーションはなく、敬語は全国共通の形式が中心です。したがって、長野県で「ございます」と言う場面はあっても、「ごあす」のような表現は存在しないと理解して差し支えありません。

まとめ

「ごあす」は長野県特有の言葉ではなく、鹿児島県に伝わる古風な敬語表現であることがわかりました。その意味は標準語の「ございます」とほぼ同じですが、とても格式高い響きがあります。かつては薩摩藩で武士や役人が使っていたため歴史的な背景が強く、現代の鹿児島でも年配者の儀礼などで聞かれる程度です。一方、長野県の方言では「ごあす」は使われず、丁寧語は標準語に近い形が一般的です。つまり長野県民にとって「ごあす」は珍しく、鹿児島に由来する言葉と理解すれば驚くことはありません。
この記事でご紹介したように、「ごあす」は鹿児島文化の証であり、長野で耳にすると驚く表現です。意味や由来を押さえておけば、他地方の方言に触れたときも混乱せず、言葉の面白さを感じられるでしょう。

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